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2012年7月25日水曜日

追分の油や

軽井沢はいろんな顔を持つ。

舶来、別荘、宣教師、文士のハイカラな香りと別荘族、アウトレットというのがステレオタイプのイメージ。
その他に江戸時代からの中仙道、宿場町の顔もある。こちらは隠れ気味だが、注意すればそこここにいまも残ることに気づく。

一昨年、スタイリングイベント『extension/store 歩いていたら。』を行った「ギャラリー蔵」も巨大な神棚が据えられた明治時代のお蔵が今に伝えられた場所だった。

今度は隣町、追分の 古い旅籠『油屋旅館』が眠りから覚めて『信濃追分文化磁場 油や』として7/21に復活した。

エントランスには旅籠の面影が。(7/16工事中)


油屋の隣にかねてより立ち寄っては本を買ったりおしゃべりしたり、イベントの折には様々お世話にもなった、センスのいい古書店『追分コロニー』があるのだが、その店主斎藤夫妻が奮闘尽力しての開館だ。

とても中仙道らしい、風情のある建物が残ってうれしい。さらに大人向きの骨董店、レコードショップやギャラリーなど11も生まれ、旅の目的地が充実して何度も訪ねたくなる。本来「店」が持っている店主とお客が「良いモノ」を共有する時間が、ここには流れているように思う。建物も空き家だった時とは見違えるように生き生きと陽気に見えた。

旧軽井沢ではすっかり薄まってしまった昔の軽井沢の雰囲気が、いまも残る追分は貴重な場所だと思う。


長野県北佐久郡軽井沢町追分607
信濃追分文化磁場 油や
http://aburaya-project.com
(問/追分コロニー 0267 46 8088)





2012年7月6日金曜日

銀座百点

雑誌類を保管するのってむずかしい。くにゃくにゃしてるし、情報はすぐ古くなるし、へたをすると他の本にくっついたりする。それでも基本的に雑誌が主戦場でショウバイものだから、掲載誌でなくても捨てないで取っておく。

なかでも、銀座百店会加盟店の小冊子『銀座百点』は小ぶりサイズの横型とそこはかとなく漂うハイカラな味わいの内容、これが好みで、80年代ものもたまに読み返す。(それ以前のは85年頃に捨て。じつに惜しい。)



池波正太郎の「銀座日記」や、向田邦子の「父の詫び状」の元になった有名な連載などもあるが、なんといっても対談や座談会が真骨頂。

執筆者や対談の参加者には既に物故の諸先輩が多いが、みんな美味しいものの話や人情噺、お能、オペラ、美人から街の話題まで、本業・私生活の両面から語ったり、書いたり。のびのびと愉しんでおられる。生き生きと生活している雰囲気、どことなく抑えた上品さが大人だと思う。

そういえばこの頃、座談会って雑誌であまり見ないな。

今まで気づいていなかったが「厚紙芯入りの別染布製の合本ファイル...1年分三百円」というのがあるらしい!これを買えば、あと20年は保管出来そうだ。そうなると人間の方が。。。。


1984.4月号の銀座サロン出席者は川口松太郎、円地文子、吉行淳之介、小田島雄志。