2012年8月22日水曜日

エドラ

キングキドラやモスラみたいな名前のこのブランドは、イタリアの高級家具の会社名だ。
エドラといえば、そのアヴァンギャルドな作風のコレクションは他の追随を許さないインパクト。

とくにブラジルのカンパーナ兄弟(Fernando and Humberto Campana)の作品の数々は圧巻!
こんなのや、

キャビネット「CABANA」2010年作品(かき分けるとドロワーが現れる)


こんなのや、

チェア「SUSHI」2002年作品(パリ装飾芸術美術館収蔵品)
こんなのや、

ランプ「CAMPANA」2010年作品 (サローネで見た実物の金色は巨大だった)

 こんなのが。

もっとも有名なチェア「FAVELA」2000年作品。Vitra.の1/6モデルにもなっている


デザイン好きの間では有名な、日本人デザイナー梅田正徳のあれも。

「GETSUEN DIAMOND」1990作品の2007年ニューバージョン


これらは豪華絢爛なパヴィリオンや城、または逆にこれ以上ないクールな空間に置くことを想定しているように思う。すれすれのフチを面白がって歩いて行くクモ人間みたいに。アートとフェイク、機能とオブジェ、下品と上品、overwhelmと許容範囲内、やりすぎと楽しさ、ぎりぎり本物に含まれているのがエドラの家具だ。


それにしても。
単に奇をてらっただけのまがいものと、アートともいえる価値ある家具の違いはいったいどこにあるのだろう?本物ってなんだ?

おいそれと答えの出る課題ではない。とはいえ、まことにあいまいながら私の基準は「愛嬌のあるなし」。
たとえば陶磁器などで動物がついている名品を見ると、まず絶対に目がかわいい。雑に作られたものは必ず愛嬌のないつまらなそうな顔をしている。

それから佇まいの静かな力、ね。正々堂々としている様とでもいうか。

エドラの家具たちはどれもあまりにも変だけど、どこか愛らしい。さらに堂々としてどんな部屋にも負けない。これが本物だと思う理由。


ところで、日本のものでも骨董品でもデザイン作品でもプロダクトでも、ホンモノはどこにでもある。コンビニにだって本物のデザインを見つけることができる。たとえばロングライフのキッコーマンの醤油瓶とかね。

お墨付きの高価な骨董品がかならずしもよくないし、逆に安くていいわけでもない。大量生産が全部フェイクという訳でもない。

金額とは別の地点に価値があるといっても一概には言えず。むずかしいね。
むずかしいから面白い。

EDRA

EDRA Salone del Mobile 2012

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